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なぜピラティスで姿勢がよくなる?

”もし30歳であなたの背骨が柔軟性に欠け、硬かったら、あなたは年をとっています。もし、60歳で、あなたの背骨が完璧な柔軟性を保っていたら、あなたはまだ若いのです。” 

当時はコントロロジーと言われていたピラティスの創始者Joseph Pilates氏は言いました。

以前、教え子のLolita San Miguel氏のワークショップを受けた際、当時70歳を目前にした彼女のしなやかな美しい動きに感動したことを覚えています。

目次

背骨の秘密

背骨は脊柱とも言われるためか、1本の柱のような骨をイメージしている方も少なくありません。
実は、首/頸椎7個 胸/胸椎12個 腰/腰椎5個 仙骨 尾骨 またその間には椎間板で成り立っています。
骨と骨の間には関節があります。背骨の場合、その数は100以上あります。
全体で、矢状面は(体を横から見て)S字カーブと呼ばれる生理的弯曲があります。
また、それぞれの背骨(椎骨)には特徴があります。
頸椎(C1~C7)屈曲・伸展・回旋・側屈と3次元に動く。
        前弯(前方に凸型)
このカーブは、生後、首がすわるようになると現れる。
胸椎(T1~T12) 屈曲・伸展・回旋・側屈と3次元に動くが、一つ一つの動きは小さい。
        後弯(後方に凸型)
        肋骨・胸骨とともに胸郭を作る。
腰椎(L1~L5) 屈曲・伸展・回旋・側屈と3次元に動くが、特に回旋はごくわずか。
        前弯(前方に凸型)
        立ち歩くようになると現れる。
私たちは生まれて、このS字カーブを作り上げました。

なぜ、背骨にはカーブが必要なのでしょうか。

イメージをしてみてください。
同じ薄いステンレス製の板が2種類あるとしましょう。
一つはまっすぐな板、もう一つはS字にカーブを作った板です。
下の部分を床に垂直にぶつけます。
どちらの方がその衝撃を柔らかく受け止めることができそうですか?
人間の体で例えると板が背骨、そのうえに乗っているのは頭(脳)です。
ショックが少ない方がいいです。
カーブは大切な脳を守るためにも必要なのです。
もちろん、カーブは深ければ深いほどよいわけではありません。
男女差、人種により、また個人により最適な深さがあります。

現代人の日常は、座りっぱなしの生活、スマホの使用などで
ストレートネック、
頸椎腰椎の前弯がなくなり全体がCカーブ、
腰椎が後弯しS字が反転、
長い時間をかけて二足歩行へ進化しながら作り上げてきたS字カーブが、またCカーブになろうとしています。

そこまで進化?退化?すれば問題はないのかもしれませんが、今のところの体は適切なS字カーブが必要です。

S字カーブが守られることで、椎間板がつぶされてしまうリスクが減り、背骨で作られている神経が通るスペースも確保されやすくなります。



背骨の最適なカーブを保つ

関節は動かすことで、滑液に満たされ、油をさすように動きがよくなります。
また、椎間板は動かすことで栄養を得ることができます。
たくさんの背骨の関節と椎骨の間にある椎間板、動かさないでいたら栄養を貰えるチャンスがなくなって、瘦せこけ干からびてしまいます。
またいつも圧迫を受けていると、押されて中身(髄核)が飛び出してしまう。
そう、背骨はできるだけ一つ一つを動かすことが必要です。
(もちろん連動していますから、一つだけをポコッと動かすことは無理です!)

関節は適切に動かすことにより、適切な位置に戻ることができます。
そして、適切な姿勢に(姿勢がよく)なることができます。
動きを変えた結果、姿勢が変わります。
壁に貼り付けたり、他人の手で矯正して姿勢を外から変えていくものではありません。
動けば姿勢は崩れます。またそこに戻れるか、です。
自分で動いたからこそ、得られる結果です。

ピラティスは、未だに体幹トレーニングと言われることもありますが、動きを変えるものです。
動きが良いものに変わり、よい姿勢になります。

世界が変わりますよ~